着ぐるみ(きぐるみ)とは、人体着用ぬいぐるみの略で、人間が着用可能な大型のぬいぐるみを指す。友好親善イベントや遊園地のエンターテイメントショー、テレビ番組などで用いられる特殊衣類で、中に人間が入り、全身を覆い姿を変える演出で使用される。
着ぐるみとは人間の全身を覆う、等身大のぬいぐるみの総称で、怪獣など架空の生物や人間や、擬人化した動物を表現する方法として用いられる。ミッキーマウスやハローキティなどのマスコットキャラクター、擬人化した動物、怪獣、ロボットなどの造形が一般的である。
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歌舞伎などの古典演劇、映画での特殊撮影技術の一つとして、または幼児向け子供番組の登場人物、特殊な演劇的表現として舞台演劇で用いられる。一般的には遊園地やテーマパーク、商品キャンペーンなどで幼児を相手にしたり、風船などを配布する作業など顧客サービスに従事している。
尚、現在一般的に使われている「着ぐるみ」という言葉は1980年代後半に生まれた比較的新しい言葉であり、現場サイドでは「ぬいぐるみ」と呼ばれることが多い。語源としては、「特撮マニアが『着ぐるみ』という言葉を使い始めた」あるいは「とんねるずがテレビ番組で盛んに口にして広まった」など、色々な説が存在する。桂米朝は数年前、ラジオ番組で古い言葉をテーマにしたトークで、「この着ぐるみという言葉を最近よく耳にするが、以前は無かった言葉で、非常に違和感を覚える」と自ら話題を振ってコメントしていた。
イベントで着ぐるみを使用する場合はアルバイトやイベント会社の職員が中に入ることが多いが、遊園地、特にディズニーランドではスーツアクターが入ることが多い。警視庁のイベントの際は、警察官が中に入る。企業のイベントの場合はスーツアクターを依頼することが多いが、経費を節減するため着ぐるみだけをレンタルし、社員やアルバイトが中に入る場合もある。その場合は、スーツアクターのような派手で大きなリアクションは期待出来ない場合がある(日常的に着ぐるみでサービスを行っている場合、逆に事実上の専門スタッフ化している社員などもごく一部ながら存在する)。また、自社オリジナルの着ぐるみを製作し、PRイベントに活用する企業も多い。
特殊な例としては「ポンキッキーズ」のレギュラーキャラクターであるガチャピンが有名である。番組内の「ガチャピンファイル」において、ガチャピンは様々な難題に挑戦している。その為、中に入る人についてもそれぞれ挑戦する各分野におけるエキスパートに依頼される事になる。日本代表クラスのスキルを持つ各種スポーツ選手、カヌー選手、ハンググライダーや体操選手の他、さらには宇宙飛行の訓練を積んだ専門家に至るまでが中に入った。結果として、ガチャピンの中には他の着ぐるみと比較にならないほどたくさんの人が入れ替わりで入ることとなっている。
特撮映画の金字塔である「ゴジラ」シリーズ(東宝)が着ぐるみを使用していたため、「日本における特撮怪獣=着ぐるみ」という図式が出来上がった(後のウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなど)。戦前に製作された「キング・コング」など、海外の特撮が人形アニメーション(ストップモーション・アニメーション)で発展したのとは対照的である。
お笑い芸人やアイドルがコントなどで着用する着ぐるみは、その性質上、着用している人間の顔が見えるように造られていることが多い。またたらこキユーピーやご当地キティなどキャラクターの顔が見える着ぐるみのキャラクターグッズが近年流行している。なお、テレビ業界では顔の出ている着ぐるみのことを「かぶりもの」と呼ぶことが多く、顔の出ていない着ぐるみのことを「ぬいぐるみ」と呼んで区別している。
外見こそかわいらしいデザインだが、内部は体温がこもって蒸れやすいうえに視界が悪く(前方か足下のいずれかしか見えないのが普通で、音も聞こえ難い)、汗をかいても頻繁には洗えないと言った短所がある。中に入ると思うように動けなくなるため通常軽装で入る。但し最低限Tシャツを1枚着ることが一種のマナーとなっている。通信用の無線やイヤホン、マイクなどが入っているものもある。
ぐるみイベント
日本ではアニメなどのキャラクターによる着ぐるみに扮した者達によって行われる着ぐるみ寸劇イベントが存在する。着ぐるみ愛好者達もイベントを画像に収めようと遠路遥々参加するが、基本的に対象となる観客は幼児、小学生以下の子供であり、着ぐるみ愛好者達の間では暗黙の了解として、イベントにおける全ての優先権は子供にある、と考えられている。そのため、あるイベントでごく一部の着ぐるみ愛好者達が子供達を押しのけ、着ぐるみと強引に握手等をした事が問題になった。
また、着ぐるみイベントの司会者が着ぐるみ愛好者の者達を「大きいお友達」と呼んだ事から、「小さいお友達(主に幼児、子供)」「大きいお友達(主に愛好者を指す)」と観客を明確に二分する表現が出来た。
着ぐるみによる演劇
着ぐるみ表現による児童向け演劇を、最初に商業的に成功させた劇団としては、日本における影絵の第一人者である藤城清治主宰の木馬座があり、そのキャラクターケロヨンとともに有名である。既に解散したとはいえ、木馬座によるぬいぐるみ人形劇(着ぐるみ劇)の表現は、現在も活動中の着ぐるみ劇団に多くの影響を与えている。
着ぐるみによるイベントについては、特に舞台で演じられる演劇形式ものをマスクプレイ劇として区別する場合がある。マスクプレイの童話劇を観覧するイベントは、幼稚園など幼児教育の場においては情操教育の一環として現在では定番の一つになっている。
このマスクプレイによる童話劇を専門職として行っている代表的な存在としては劇団飛行船が挙げられる。マスクプレイミュージカルの専門劇団として40年を超える歴史を持つ老舗でもあり、人気アニメの舞台化のほか海外公演も行うなど、日本の着ぐるみを用いた芸能演劇の歴史を語る上では避けて通れない存在でもある。
他方、地域のボランティアなどで愛好者を中心とした小劇団が組まれ、童話などのマスクプレイ劇の活動をしている者も少なくない。